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甲斐犬の性格は一代一主!しつけのポイント、価格とブリーダーについて

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日本犬と言えば柴犬を思い出す方が多いかもしれません。

日本犬とは、日本に古くから猟犬もしくは家庭犬として存在していた犬のことで、現在、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬の6種類がいます。

これらはすべて、文部科学省によって天然記念物に指定されています。

今回はこのうち、2番目に天然記念物に指定された、甲斐犬の性格やしつけのポイント、価格とブリーダーについてご説明したいと思います。

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甲斐犬ってどんな犬?

甲斐犬

出典:flickr

甲斐犬は山梨県原産の犬で、山梨県の甲斐地方でイノシシやカモシカの猟に利用されていました。

 

その起源についてははっきりと分かっていないものの、1929(昭和4)年に甲府地方検察庁に赴任した安達太助氏が発見し、1931(昭和6)年に「甲斐日本犬愛護会」が発足、そして、1932(昭和7)年に、日本犬保存会の初代会長である斎藤弘吉氏、獣医師の小林承吉氏らによって“甲斐犬(かいけん)”と命名されました。

 

名前の由来は発見された地域が甲斐地方であることからきています。

当時、日本犬は“○○犬(いぬ)”と呼ぶのが一般的でしたが、甲斐犬を“かいいぬ”としなかったのは、話をする際に“飼い犬(かいいぬ)”と誤解される恐れがあるためだったと言われています。

その後、甲斐犬は1934(昭和9)年に天然記念物に指定され、保護団体に守られつつ繁殖が続けられています。

 

因みに、海外における甲斐犬の人気はいま一つで、その理由は猟犬ならではの気性の強さが原因のようです。

世界中で愛されている秋田犬や柴犬と違って、甲斐犬は家庭犬に向かないと見なされてしまったのです。

ただ、猟犬気質に寛容なヨーロッパでは近年飼育数が増えてきているようなので、今後さらに愛好家が増えることを期待したいですね。

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体の特徴

それでは、甲斐犬の特徴についてみていきましょう。

 

甲斐犬は中型犬に分類されており、体高はメスが42~51㎝、オスが47~55cm程度、体重はメスが12~18kg、オスが15~20kg程度になります。

 

甲斐犬の体型は、鹿犬型猪犬型の2つのタイプに分かれます。

鹿犬型とは四肢がすっきりして見えるタイプ、猪犬型とはずんぐりしているタイプで、現在は猪犬型は絶滅し鹿犬型のみが存在します。

猟犬ならではの筋肉質な体を持ち四肢も丈夫なので、急な斜面や岩場を駆け上がって獲物を追いかけることができます。

 

容姿の特徴としては、他にピンと立った三角形の耳、暗褐色のぶどうのような目、細長い鼻先、青紫色の斑がある舌(舌斑)、巻尾もしくは差尾などが挙げられます。

 

被毛についてはまっすぐな太い毛に覆われたダブルコートで、下毛は柔らかい短毛が密生しています。

毛色については虎の模様に似ている虎毛が基本で、黒虎毛、中虎毛、赤虎毛の3つのタイプに分かれます。

これは、山で狩りをする際の保護色の役割を果たし、

・黒虎毛とは黒色地に茶褐色の虎模様

・赤虎毛とは赤茶色地に黒褐色の虎模様

・中虎毛とは黒色や赤茶色が混じり合う虎模様

のことで、近年は黒虎毛の個体が多く、赤虎毛の個体は減少傾向にあるようです。

 

ちなみに、まれに全身白色毛の個体が生まれることがあり、これを雪甲斐犬と呼びます。

ジャパンケンネルクラブでは白色個体を甲斐犬とは認めていないため近年はほとんど見かけることはありませんが、非常に貴重な個体であるため高額で取引されることがあるようです。

甲斐犬

出典:wikipedia

 

寿命

甲斐犬の寿命は、12~16歳程です。

比較的病気の少ない犬種なので、長生き傾向にあると言って良いでしょう。

 

性格

次に、甲斐犬の性格についてご説明します。

 

甲斐犬の性格は、“一代一主”という言葉で表されます。

“一代一主”とは、飼い主にだけ絶対的な信頼を寄せ、一生忠誠を尽くすという意味です。

昔から猟犬として活躍していただけに、飼い主に対しての服従心は強い犬なのです。

飼い主以外の人間には心を許さなくても、飼い主に対しては甘えん坊な一面も見られます。

 

しかし、家庭犬として飼育されている現代では、しつけによって大きく変わるので必ずしも一代一主になるとは限りません。

服従心の強い犬種だからと油断せず、しつけはしっかりと行いましょう。

 

基本的には警戒心が強く気性が荒いものの、家庭犬として幼犬の頃から多くの人や他種の動物と触れ合うことができれば、飼い主意外とも友好的に接することができるでしょう。

無駄吠えもほとんどしないため住宅街でも飼育しやすいです。

また、危険察知能力に優れ勇敢であるため、番犬にも向いています。

 

一度飼い主と信頼関係を築くことができれば、とても飼いやすく末長く寄り添ってくれる存在となってくれるでしょう。

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甲斐犬の価格やブリーダーは?

もし、甲斐犬を飼育してみたいという場合は、甲斐犬専門のブリーダーから購入することをお勧めします。

専門のブリーダーであれば血統がしっかりしていますし、病気に対する知識も十分にあります。

購入後のサポートも行っている場合があるので、いくつかのブリーダーを比較しつつ自分の希望する子犬について相談してみましょう。

 

子犬の価格については10~18万程度です。

甲斐犬はペットショップで販売されることはほとんどないため、里親制度もしくはブリーダーから購入することになるでしょう。

ブリーダーの中には悪質なところもあるので、直接見学をするなどして良いブリーダーかどうか見極めたうえで購入しましょう。

 

甲斐犬のブリーダー情報はこちら!https://www.dogoo.com/cgi/wssn/wssn_sdg.cgi?category=211kai

 

飼育にかかる費用

甲斐犬

では、甲斐犬と暮らしていくにはどれくらいのお金がかかるでしょうか?

目安例としては、

・ケージ、サークル、小屋...10,000~50,000円

・首輪、リード...3,000~5,000円

・トイレ用品...トレー6,000円+シート毎月6,000円

・ケア用品(ブラシ、シャンプーなど)...5,000円

・餌代...毎月6,000~15,000円

・狂犬病やフィラリアの予防接種など...毎年10,000~20,000円

といった費用がかかることが考えられます。

 

また、ケガや病気をしてしまった時や避妊手術を受ける際は、その時々で医療費もかかります。

長い目で見た費用面でも、よく考えたうえで飼うようにしてくださいね。

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しつけのポイント

まず、しつけについてですが、服従心の強い犬種とはいえ、幼犬のうちから甘やかせてしまうと飼い主をリーダーと認めてくれず、言うことを聞かなくなってしまいます。

リーダーは誰かを明確にしながら毅然とした態度で接していきましょう。

 

とはいえ、厳しく育てるのは良くありません。

警戒心が強い甲斐犬を厳しく叱り続けると、より警戒心が強くなってしまう恐れがあります。

悪いことは悪いとしっかり教え込む必要はありますが、できるだけ褒めて育てるようにしましょう。

 

また、子犬の頃から色々な音に慣れさせておく必要があります。

甲斐犬は警戒心が強い犬なので、最初の頃は聞きなれない音には敏感に反応し吠えてしまうかもしれません。

車やバイクの音、人の話し声や他の犬の鳴き声、玄関のチャイムなどの音に慣れさせるようにしましょう。

 

最後に、先ほども述べましたが、他種の犬とも友好的に接することができるように、幼犬のうちからいろんな人間や動物と触れ合わせ社会性を身につけさせてください。

そうすれば、外出時のトラブルを回避することができるでしょう。

 

飼育する際の注意点

甲斐犬

出典:flickr

さて、では甲斐犬を飼育する場合、どのような点に気をつければよいのでしょうか。

 

運動

散歩については、1日2回、1時間程度行うことを理想とします。

甲斐犬は猟犬であるため体力があり、豊富な運動量を必要とするのです。

ただ歩くだけではなく、小走り程度の速さで歩くことも大切です。

ドッグランなど広い場所で思い切り走らせることも喜びますが、その際はくれぐれも他の犬とトラブルが起きないように気をつけましょう。

 

被毛のお手入れ

被毛のお手入れは必要ですが、甲斐犬は短毛なので楽な方です。

週に1~2回程度ブラッシングする程度で大丈夫でしょう。

ただ、換毛期は抜け毛が多くなるので、頻繁にブラッシングしてあげてください。

シャンプーは月1回行うと良いでしょう。

 

甲斐犬がかかりやすい病気

甲斐犬

出典:flickr

かかりやすい病気についてですが、甲斐犬は“病気知らずの犬”と言われるくらい遺伝子疾患が少ない犬種です。

これは、猟犬としての能力を上げるためにさまざまな犬種との交配が行われて近親交配を免れたためと考えられています。

丈夫な体を手に入れた甲斐犬は、平均寿命12~16歳と長生きできるようになったのです。

とはいえ、全く病気にかからないわけではありませんので、いくつかご紹介します。

 

皮膚炎

気になる病気としてはアレルギー性皮膚炎です。

甲斐犬も含めた日本犬はアレルギー性皮膚炎を発症しやすいと言われています。

皮膚病を防ぐためにも飼育環境は常に清潔を保ち、被毛のお手入れも忘れないようにしましょう。

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外耳炎

また、外耳炎のような耳の病気にも気をつける必要があります。

甲斐犬は垂れ耳ではありませんが、耳の中にも毛が密生しているため通気性が悪いのです。

したがって、耳の中も定期的にお掃除してあげましょう。

もしちょっとでも、

・痒がるしぐさを見せる、耳の内側部分が赤く腫れている、異臭がする

ようなことがあれば、できるだけ早く動物病院を受診してください。

悪化して治療を長引かせないためにも、早期発見が何より大切なのです。

 

虫歯、歯周病

最後に、甲斐犬に限ったことではありませんが、犬も虫歯や歯周病になる事があります。

歯茎が赤く腫れていたり、口が臭かったりすると歯周病のサインかもしれません。

歯周病にならないためには、人間と同じように毎日の歯磨きが大切です。

歯磨きのブラシを嫌がる場合は、歯磨きシートや歯磨き専用のガムやオモチャもありますので、それらを上手に使って歯のケアをしてあげるようにしましょう。

 

まとめ

甲斐犬は山梨県原産の中型犬で、体高50cm体重15kgほどの大きさになります。

飼い主に対しての服従心は強く、危険察知能力に優れ勇敢でもあるため番犬に向いた性格をしています。

 

かつては日本各地に何十種類と生息していた日本犬。

その多くがさまざまな理由により絶滅し、今では日本犬は6種しか存在しません。

柴犬は全国的に人気で飼育数も多いですが、甲斐犬などに関しては飼育数も多くはなく地域も限定されている傾向があります。

 

あまり馴染がないという方もいらっしゃるかと思いますが、“一代一主”と言われるほどの性格は飼い主にとっては非常に喜ばしいものだと思います。

深い愛情を持って一緒に暮らしていく相手としてはお勧めです。日本犬に興味のある方は、一度検討されてみてはいかがでしょうか。

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