日本犬の中でダントツの人気である柴犬。
柴犬はいまやペットとしてはお馴染の犬種で、ジャパンケンネルクラブでも毎年10,000頭以上が登録されています。
近年では豆柴犬という、柴犬を小型化したタイプも人気ですよね。
今回は、柴犬の性格や特徴、価格やブリーダー、しつけのポイント、柴犬と豆柴犬の違いも含めて、詳しくみていきたいと思います。
Contents!
柴犬ってどんな犬?
柴犬は古くから日本に住みついていた犬で、祖先犬は縄文犬と言われています。
縄文時代の遺跡から犬の骨がいくつも出土されており、この時代に生きていた犬を縄文犬と呼びます。
そして縄文時代、弥生時代の土偶や埴輪の中には、柴犬の特徴と似たものが存在するのです。
柴犬の祖先は、なんと紀元前の頃から日本人とともに暮らしていたことになるのです。
彼らは、主に鳥やウサギといった小動物の狩猟犬として、日本各地で活躍していました。
地域性があり、柴犬は縄文柴、信州柴、美濃柴、山陰柴、川上犬の5種に分かれています。
現在主流なのは信州柴の祖先で、美濃柴、山陰柴、川上犬の3種については絶滅の恐れがあると言われています。
さて、古くから狩猟犬として活躍していた柴犬は、明治時代に入ると洋犬との交配が進むこととなります。
雑種化を恐れた愛犬家により昭和3年に「日本犬保存会」が発足、柴犬も文部科学省により天然記念物に指定されました。
雑種化や第二次世界大戦、戦後の犬ジステンパー大流行の影響により一時は激減してしまった柴犬ですが、「日本犬保存会」など愛犬家の努力により純血種の個体数は徐々に回復していきました。
今では日本のみならず、世界でも人気の犬種として定着しています。
因みに、柴犬(しばいぬ)という名前の由来は、小さなものを表す古語“柴”から、柴藪をくぐり抜けて猟を行うことから、赤褐色の毛色が枯れ柴に似ているため、と3つの説があるようです。
体の特徴、豆柴との違いは?
それでは、柴犬の特徴についてご説明します。
柴犬は小型犬に分類されており、体高がメスは33~38cm、オスは35~41cm程度、体重がメスは7~9kg、オスは8~11kg程度になります。
近年人気が出ている豆柴は柴犬を小型化したもので、豆柴の体高は30~34cm、体重は4~6kg程度になります。
そして、豆柴よりもさらに小さい小豆柴というのもいます。
豆柴は、遺伝的に小柄の柴犬同士を意図的に交配させて作りだした犬で、独立した犬種としては公認されていません。
柴犬との違いは体格の差なので性格は変わらないですが、豆柴のほうが若干甘えん坊なところもあるようです。
さて、柴犬の特徴に戻りますが、柴犬は体高よりも体長がやや長く、筋肉質でしっかりした体つきをしています。
小さな立ち耳、クルンと巻かれた尻尾が特徴的で、顔つきはキツネ顔とタヌキ顔に分けられます。
キツネ顔には縄文柴や信州柴が挙げられ、面長でキリッとした顔立ちをしています。
一方、タヌキ顔は新柴犬と呼ばれ美濃柴が該当します。
こちらは丸顔で目がクリっとしていて可愛らしい印象で、比較的体格も小さい傾向にあります。
柴犬 豆芝 出典;petstation.jp
もう一つの特徴である巻き尾も、右巻や左巻、右二重巻や左二重巻、半巻、車巻などさまざまなパターンがあります。
また、差し尾の個体もいるのですが、こちらも太刀尾や草薙尾、柳尾、牛蒡尾、茶筅尾、株尾などのパターンがあります。
被毛については短毛のダブルコートで、硬い直毛の上毛と柔らかい下毛から成ります。
毛色は赤色、黒色、胡麻、赤胡麻、黒胡麻があり、正式には認められていないものの白色の柴犬も存在します。
柴犬の8割は赤柴で、黒色や胡麻の個体は珍しいため高値で取引されることが多いようです。
寿命
柴犬の寿命については、12~15歳程度と言われており、比較的長生きする犬種であるようです。
性格
次に、柴犬の性格についてみていきましょう。
柴犬は古くから猟犬として活躍していたこともあり、飼い主に従順であり勇敢で自立心が高い性格です。
飼い主には非常に忠実で愛嬌がありますが、警戒心が強い一面もあるため知らない人間に対してはよそよそしく接したりします。
そのため、番犬には適しているでしょう。
ただ、柴犬は性別によって性格が少々異なります。
オスの場合は、愛嬌があって人懐っこく好奇心旺盛です。
そのため、オスの場合は知らない人間に対しても興味を持つ傾向にあります。
また、体力もあり遊び好きなので、たくさん遊んであげる必要があります。
一方、メスの場合はオスよりも落ち着いていますが、縄張り意識や警戒心が強いです。
それゆえ無駄吠えをしてしまうことがあるので、幼犬のうちから無駄吠えはいけないとしっかりと教えていく必要があります。
ただ、番犬にするにはメスのほうが向いているでしょう。
いずれにしても、柴犬は賢く学習能力が高いため、飼育しやすい犬種と言われています。
柴犬の価格やブリーダーは?
もし柴犬を飼育してみたいという場合は、人気犬種のためペットショップでもブリーダーでも容易に購入することができるでしょう。
子犬の価格については5~20万円が相場ですが、季節や毛色によって価格が変わります。
季節については、寒い時期は柴犬の受胎率が下がる関係で11~2月頃は安価、3~5月頃は高価になります。
また、毛色については一般的な赤色の子犬は5万~、その他の毛色については10万~と、赤色以外が高価になる傾向にあります。
価格は子犬の状態等によってまた変わってきますので、柴犬を購入する際はよく検討してから決めるようにしましょう。
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飼育にかかる費用
では、柴犬を飼うにはどれくらいのお金がかかるのでしょうか?
参考までに目安例としては、
・ケージ、サークル...10,000~30,000円
・首輪、リード...3,000~5,000円
・トイレ用品...トレー6,000円+シート毎月6,000円
・滑り止めなどの床材...30,000~50,000円
・トリミング代...1回6,000~10,000円
・ケア用品(ブラシ、シャンプーなど)...5,000円
・餌、おやつ代...毎月8,000~15,000円
・狂犬病やフィラリアの予防接種など...毎年10,000~20,000円
といった費用がかかることが考えられます。
また、ケガや病気をしてしまった時や避妊手術を受ける際は、その時々で医療費もかかります。
長い目で見た費用面でも、よく考えたうえで飼うようにしてくださいね。
しつけのポイント
まず、柴犬は一度飼い主と認めた人間に対して忠誠を尽くす犬種であるため、幼犬のうちから主従関係を明確にして自分が飼い主と認識させる必要があります。
一度良い関係性を築くことができれば、その後のしつけも楽になるでしょう。
また、幼犬のうちから社会性を身につけさせることも大切です。
生後3ヶ月までの間に、散歩の際などに積極的に外の世界と触れさせましょう。
柴犬は、自分より下の者には強気に接する一面があります。
子どものいる家庭で飼育する場合は、子どもに対して威嚇してしまうこともあるので注意しましょう。
飼育する際の注意点
さて、柴犬を飼育することになった場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
運動
柴犬はとても体力があるため毎日しっかりと散歩をする必要があります。
1日2回、合計1時間以上の散歩を心がけ、ストレスを溜めこまないように配慮しましょう。
時にはドッグランなど広い場所で思いきり走らせてあげることもお勧めします。
被毛のお手入れ
被毛のお手入れについてですが、柴犬は短毛ですがダブルコートのため抜け毛が多いです。
普段は週に2~3回、換毛期には毎日ブラッシングをしてあげてください。
また、被毛の状態を整えたいという方は、トリミングを行うと良いでしょう。
必ずしも必要というわけではないので、愛犬の様子をみながら行ってくださいね。
柴犬がかかりやすい病気
最後に、柴犬がかかりやすい病気についてです。
柴犬は基本的に病気になりにくい犬種であるため、病気の心配は少なめです。
皮膚疾患
まず、柴犬は皮膚疾患にかかりやすいと言われています。
特にアトピー性皮膚炎が心配ですが、他にも食物アレルギーや接触アレルギー、マラセチアのような真菌性のものから内分泌性のものなど、その原因はさまざまです。
一度皮膚病を発症すると治療が長引くことが多いので、少しでも
・皮膚のべたつき、皮膚からの異臭、脱毛、かゆみ、大量の鱗屑やフケ、皮膚を過剰に掻き毟る
といった異常がみられたら、すぐに動物病院で診てもらうようにしてください
皮膚疾患を予防するには、ノミ、ダニといったアレルギーの原因となるものの除去、つまり生活環境を常に清潔に保つことがなにより大切です。
もちろん、愛犬自身の被毛のお手入れも怠らないようにしてください。
食物アレルギーについては、疑われる症状が出た場合はすぐに動物病院を受診し、医師と相談しながら食事管理を行っていってください。
外耳炎
また、外耳炎にもかかりやすい傾向にあります。
外耳炎を予防するためには、定期的にイヤーローションなどで耳を掃除してあげましょう。
もし、
・耳が赤く腫れている、異臭がする、ベタベタした耳垢が多い
ようなことがあれば、早めに動物病院へ行きましょう。
痴呆症
柴犬は、比較的長生きする傾向にあります。
ただ、その分日本犬によく見られる痴呆症を発症することが多いようです。
日本犬は昔から人間とともに魚を中心とした食事をとっていたため、痴呆症予防となるDHAやEPAをたくさん摂取していました。
ところが、ドッグフードが主流の現代ではDHAやEPAが不足してしまい痴呆症にかかりやすいと考えられているようです。
老年性痴呆症になると、
・意味もなく鳴く、昼夜逆転、呼んでも反応しない、トイレを失敗する、角などで方向転換ができない、同じ方向にグルグル回り続ける
といった症状が見られます。
痴呆症を予防するためには、日頃から、
・魚成分が入ったドッグフードを与える、動物用煮干しを与える、DHAやEPAの摂取
などの対策をとっていると良いでしょう。
愛犬がずっと健康に長生きするためには、飼い主の努力もかかせないのです。
まとめ
柴犬は日本原産の小型犬で、体高38cm体重9kgほどの大きさになります。
勇敢で賢く、飼い主には忠実な性格ですが、知らない人間に対しては警戒心が強いため、番犬にも向いた犬種です。
日本においてすっかりお馴染の柴犬。
飼育してみたいという方も多いことでしょう。
飼い主に従順なうえに賢い柴犬は、日本文化を象徴するとして欧米でも大人気です。
柴犬は信州柴や美濃柴といった種類のほか毛色などの違いが多いため、子犬を選ぶ際の楽しさもあります。
はるか昔から私たち日本人とともに生活してきた柴犬は、まさに日本に適した犬と言えるでしょう。
少しでも興味を持った方は、是非一度検討してみてください。