常に飼いやすい犬ランキングの上位にいるキャバリア。
しつけがしやすいだけでなく、明るく愛らしい性格にはまってしまう方も多いことでしょう。
小型犬という意味でも、現在の日本の飼育環境に適しているのかもしれません。
今回は、このキャバリアの性格や特徴、価格やブリーダー、気になる病気について詳しくみていきたいと思います。
Contents!
キャバリアってどんな犬?
キャバリアはイギリス原産の犬で、正式名称はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルと言い、“キャバ”という愛称でも親しまれています。
キャバリアのようなスパニエル種はもともとは猟犬で、キャバリアの祖先犬は16世紀頃にはイギリスに存在していたと考えられています。
スパニエル種はこの頃からイギリス王室で愛玩犬として飼育されており、特にイギリス国王チャールズ2世に大変可愛がられていました。
その頃のスパニエルはコッカースパニエルに似た外見だったと言われています。
そして19世紀に入ると、小型のスパニエルと東洋の短頭種である狆やパグなどと交配が行われ、短吻のスパニエルが作られるようになります。
このとき作られた短吻のスパニエルは“キング・チャールス・スパニエル”と命名されました。
この名前はもちろん、スパニエルを溺愛していたチャールズ2世からとったものです。
短吻のスパニエルも王室や上流階級の家庭などで飼育されましたが、いびきがうるさいうえに病弱であることが欠点とされ、古いタイプのスパニエルを残そうという運動が始まりました。
こうして元の姿を取り戻した鼻の尖ったスパニエルは、“キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル”と命名されました。
“キャバリア”とは“騎士”という意味で、騎士のように雄々しい印象があることからつけられました。
キャバリアは1945年にイギリスで犬種登録され、アメリカでも1996年に登録されました。
その後キャバリアはショードッグや愛玩犬として人気を博し、今でも世界の多くの人々に愛されています。
体の特徴
それでは、キャバリアの特徴についてみていきましょう。
キャバリアは体高がオス、メスともに30~33cm程度、体重がオス、メスともに5~8kg程度で小型犬に分類されています。
がっしりとした体格で、体高よりも体長のほうが少し長めです。
大きな丸い目、平らな頭頂、長い口吻、大きな垂れ耳が特徴で、四肢や耳、胸、尻尾には飾り毛もあるため“キャバリア(騎士)”という名にふさわしく知的で優雅な容姿をしています。
被毛についてはストレートとウェーブの2つのタイプがあり、毛質はいずれも絹のように柔らかいです。
毛色はブレンハイム、ブラック&タン、ルビー、トライカラーの4種が認められています。
ブレンハイムは白色地に赤褐色のマーキングが入っているもので、頭頂部にはロザンジュと呼ばれるひし形模様があるのが特徴です。
そして、ブラック&タンは艶のある黒色地に赤褐色のマーキングが入っているもの、ルビーは全身が赤褐色のもの、トライカラーははっきりとした境目のある黒色と白色地に赤褐色のマーキングが各所に分布しているものです。
キャバリアの被毛は長く柔らかい毛質できれいですが、くせ毛になって毛玉になりやすくなる場合もあるので、日頃のお手入れがとても大切になります。
寿命
キャバリアの寿命は、9~14歳と言われています。
性格
次に、キャバリアの性格についてみていきましょう。
キャバリアは非常に明るく活発で、優しく友好的な性格をしています。
遊びが大好きで、争いごとも好まないため他種の犬や知らない人間とも仲良く接することができます。
飼い主に対しても愛情深く従順であるため、犬の飼育に慣れていない人でも飼いやすい犬種と言えるでしょう。
落ち着いていて無駄吠えもしないため、住宅密集地でも気兼ねなく飼育することができます。
ただ、愛嬌があるものの非常に寂しがり屋という一面もあるので、飼育する場合は室内で長時間一緒にいられる環境を作ってあげることが大切です。
キャバリアの価格やブリーダーは?
キャバリアを飼育してみたい場合は、専門のブリーダーを探してみましょう。
ペットショップでも販売されていますが、現在はキャバリア人気が落ち着いているため店頭に並ぶ機会は減っているかもしれません。
子犬の価格については血統や容姿によって大きく幅がありますが、だいたい10~20万で手に入れることができるでしょう。
ショードッグ用の場合は20万を超えると思います。
確実に好みの子犬を手に入れたい場合はブリーダーから購入することをおすすめしますが、ブリーダーの中には悪質な業者もいます。
病気などがないかを事前に相談したうえで、直接犬舎を見学するなど環境を確認してから購入するようにしましょう。
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飼育にかかる費用
キャバリアを飼育していくにはどれくらいのお金がかかるでしょうか?
ざっくりとした目安例としては、
・ケージ、サークル...10,000~20,000円
・首輪、リード...3,000~5,000円
・トイレ用品...トレー3,000円+シート毎月6,000円
・滑り止めなどの床材...30,000~50,000円
・ケア用品(ブラシ、シャンプーなど)...5,000円
・餌、おやつ代...毎月8,000~15,000円
・狂犬病やフィラリアの予防接種など...毎年10,000~20,000円
といった費用がかかることが考えられます。
また、ケガや病気をしてしまった時や避妊手術を受ける際は、その時々で治療費もかかります。
長い目で見た費用面でも、よく考えたうえで飼うようにしましょうね。
しつけのポイント
しつけについてですが、前述したようにキャバリアは初心者でも比較的しつけやすい犬種です。
子犬のうちからしつけを開始することは大前提ですが、基本的には褒めて伸ばすことを続けていきましょう。
おもちゃなどを使って遊びながら教えていくと覚えるのも早くなります。
飼い主が優しく愛情を持って接すれば、愛犬もきっと期待に応えてくれるでしょう。
ただ、くれぐれも甘やかしすぎないように気をつけましょう。
甘やかしすぎるとわがままに育ってしまうので、駄目なことは駄目としっかり教えていくことも重要です。
飼育する際の注意点
さて、ではキャバリアを飼育する場合、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
運動量
まず、運動量についてですが、キャバリアは小型犬とはいえ比較的大きいほうなのでそれなりの運動量を必要とします。
散歩は、1日2回30分程度を目安として行っていきましょう。
基本的には室内で遊ばせるだけでも満足してくれる犬種ですが、時には広い場所でボール遊びをするなどストレスを発散させてあげてください。
ただ、注意していただきたいのは、過度に運動させると関節を痛めてしまう可能性があります。
愛犬の成長に合わせ、その時期に見合った運動をさせるよう配慮する必要があります。
被毛のお手入れ
次に、被毛のお手入れについてですが、被毛が長いうえ抜け毛が多い犬種なので日頃のお手入れが欠かせません。
ブラッシングは最低でも2~3日に1回行い、定期的にシャンプーをしてあげましょう。
換毛期には毎日ブラッシングすることをおすすめしますが、換毛期に関わらず愛犬の毛質をみて必要を感じた場合は、毎日ブラッシングしてあげてください。
トリミングやカットは基本的には必要ありません。
飼い主が希望する場合はトリマーに相談してみましょう。
キャバリアがかかりやすい病気
最後に、キャバリアがかかりやすい病気についてです。
遺伝的に発症しやすい病気がいくつかありますので、それぞれご紹介します。
僧帽弁閉鎖不全症
キャバリアは遺伝的に僧帽弁閉鎖不全症を発症しやすいと言われています。
僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓内にある僧帽弁がうまく働かなくなり、心臓内の血液が逆流してしまう病気です。
初期症状はあまりありませんが、進行すると、
・咳、元気がなく運動を嫌がる、食欲がなくなる、呼吸困難、失神、腹水
といった症状が見られます。
僧帽弁閉鎖不全症は、どの犬種でも加齢とともに発症する可能性のある病気ではありますが、キャバリアの場合は遺伝性のため若いうちに発症することがあります。
早い個体は1~2歳で発症し、4~5歳以上になると6割以上で発症する可能性があります。
遺伝性である以上防ぐことはできないため、定期検査をまめに行って早期発見に努めましょう。
脊髄空洞症
他にも、キャバリアは脊髄空洞症の発症率が高いと言われています。
これは品種改良が原因とされ、脳の大きさよりも頭蓋骨が小さいため、脳脊髄液や体液の流れが阻害されてしまうことで発症します。
脊髄空洞症の症状としては、
・頭の後ろを触られるのを嫌がる、首が曲がっている、四肢の麻痺
が挙げられます。
少しでも異変を感じたら動物病院で診てもらいましょう。
水頭症
水頭症とは、脳内の脳室という場所が異常に広がってしてしまうことで、周りの脳を圧迫し様々な症状が現れる病気です。
水頭症には、
・ボーっとして元気がない、頭がぽっこりと膨らむ、頭のてっぺんに溝ができる、急に攻撃的になる、歩き方が変になる、すぐに転ぶ、目が外側を向く、しつけを覚えない、痙攣
と、実に様々な症状が現れることが考えられます。
水頭症は、先天的な物が原因の場合が多いのですが、ケガや事故いった事が後天的な原因となる事もあります。
また、先天性の場合は、生後半年以内に発症することが多いようです。
予防するのは難しい病気なので、早期に発見できるよう異常な行動などが無いかチェックするようにしましょう。
膝蓋骨脱臼
そして、膝蓋骨脱臼を起こす可能性もあります。
膝蓋骨脱臼は、何らかの要因で膝蓋骨がずれてしまう病気で、発症すると歩き方がおかしくなったり重症化すると骨格が変形して脚が使えなくなってしまいます。
先天的な理由である場合もありますが、高いところからジャンプするなど膝に負担がかかることによっておこる場合もあります。
具体的な膝蓋骨脱臼の症状には、
・スキップするように歩く、足をひきずる、しゃがんだ姿勢で歩く、膝を曲げた状態で歩く、歩けない
といったものが見られます。
いずれにしても、脱臼したら脚が着けなくなるなど明らかに異常行動がでますので、すぐに動物病院を受診しましょう。
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
眼瞼内反症とは、まぶたが内側にめくれている状態のことです。
そうなると、まつげが目の内側に向かってしまう「逆さまつげ」になってしまいます。
眼瞼内反症になると、まつげが目を傷つけてしまう事で、
・目の充血、目ヤニや涙が増える、頻繁に目をこする
といった症状が見られます。
眼瞼内反症が軽度の場合は、まつげを抜いたり点眼薬などで治療できますが、重度になると手術が必要となります。
また、キャバリアは目が大きく少し飛び出しているため、ゴミが入りやすく目ヤニが多くなったりします。
ゴミが入った場合は目薬で洗い流し、目ヤニは濡らしたコットンなどで優しく拭いてあげましょう。
外耳炎
外耳炎にもかかりやすいです。
キャバリアは垂れ耳であるため、耳の中の通気性が悪くなりがちです。
定期的にイヤーローションを使って耳の中を掃除してあげましょう。
・耳が赤く腫れている、異臭がする、ベタベタした耳垢が多い
ようなことがあれば、早めに動物病院へ行きましょう。
まとめ
キャバリアはイギリスが原産の小型犬で、体高32cm体重7kgほどの大きさになります。
非常に明るく活発で、優しく友好的な性格をしており、犬の飼育に慣れていない人でも飼いやすい犬種と言えるでしょう。
以上のことを踏まえると、飼いやすい犬ランキングの上位に入るのも頷けますね。
明るく愛嬌がある愛犬がいたら、家族全員が自然と笑顔になることでしょう。
初めて犬を飼うという方にもお勧めですね。
僧帽弁閉鎖不全症など遺伝性の病気があるという点は気になりますが、早期発見して治療を行えば長く生きることも可能です。
犬に限らずペットを飼う場合は、何があっても最後まで大切に育てようという気持ちが大切です。
家族全員が楽しく幸せに暮らせるように、深い愛情を持って接していきましょう。