愛らしい顔と人懐っこい性格で人気のアメリカンコッカースパニエル。
1955年に公開されたディズニー映画『わんわん物語』の影響もあって1960年代には一気に大人気の犬種となり、一度は飼ったことがあるという方も多いのではないでしょうか。
一時期よりは落ち着いたものの、今なお人気を保ちドッグショーでも活躍しています。
今回は、このアメリカンコッカースパニエルの性格、値段やブリーダー、心配な病気などについて詳しく見ていきたいと思います。
Contents!
アメリカンコッカースパニエルってどんな犬?
アメリカンコッカースパニエルはアメリカ合衆国が原産ですが、19世紀後半にイギリスから持ち込まれたイングリッシュコッカースパニエルを愛玩用として改良した犬種です。
祖先はスパニエルという猟犬で、イギリスには14世紀頃にランド・スパニエルという犬種が持ち込まれてイングリッシュコッカースパニエルへと改良され、それがのちにアメリカへ渡っていったのです。
“スパニエル”はフランス語で“スペインの”という意味ですが、スパニエルは当時ヨーロッパ各地で飼育されていたため、スペインが原産なのかは分かっていません。
因みに“コッカー”とは“ヤマシギ”という鳥を指し、スパニエル系がヤマシギ狩りとして活躍していたためそう呼ばれるようになったようです。
現在アメリカでは、アメリカンコッカースパニエルを猟犬としてよりもペット、ショードッグとして飼育しているほうが圧倒的に多いと言われています。
体の特徴
それでは、アメリカンコッカースパニエルの特徴についてご説明します。
アメリカンコッカースパニエルは中型犬に分類されており、体高はメスが34~37cm、オスが37~39cm程度、体重はメスが9~12kg、オスが11~14kg程度です。
体高、体重を見てわかるとおり、中型犬といっても比較的小柄です。
もともとは猟犬であるため、体つきは筋肉質でがっしりしています。
しかし、アメリカンコッカースパニエルは愛玩目的で改良されているため、口吻が短く耳は長い垂れ耳です。
また、被毛が長く多いのが特徴で、毛質は絹のようにきめ細かくなめらかです。
そして、ストレートとウェーブがかかった毛の2種が存在します。
毛色はブラックやブラウン、クリーム、ダークレッドといった単色のほか、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイトといった2色以上のもの、タン・ポイントなど、さまざまな毛色が認められています。
これは愛玩犬として改良がすすめられた結果であり、ドッグショーに出る場合は厳しい決まりがあるようです。
寿命
アメリカンコッカースパニエルの寿命は、12~15歳と言われています。
中型犬の中では、多少長い方のようです。
性格
次に、性格についてみていきましょう。
アメリカンコッカースパニエルは、基本的に社交的で人懐っこく明るい性格です。
また、好奇心旺盛で甘えん坊な一面もあります。
警戒心が薄く人見知りをしないため、初対面の人間や動物にも友好的です。
とにかく遊ぶことが大好きなのです。
学習能力が高く飼い主に対しても従順なので、しつけがしやすい犬種と言えるでしょう。
犬を飼育することに慣れていない方でも飼いやすいと思います。
ただ、甘えん坊な分寂しがり屋なところもあるので、あまり長い時間お留守番ばかりさせると精神的に弱ってしまう事もあります。
アメリカンコッカースパニエルを飼うとなったら、なるべく一緒に過ごす時間を長く作るなど配慮が必要です。
アメリカンコッカースパニエルの値段やブリーダーは?
もし飼育してみたいという方は、ブリーダーを探してみてください。
ペットショップにも販売されていることがあります。
価格はブリーダーやショップによってさまざまですが、だいたい17~24万円程度のようです。
毛色もさまざまなので、自分好みの子犬を探してみてください。
アメリカンコッカースパニエルのブリーダー情報はこちら!⇒https://www.dogoo.com/cgi/wssn/wssn_sdg.cgi?category=06kokka
飼育にかかる費用
では、アメリカンコッカースパニエルと暮らしていくにはどれくらいのお金がかかるでしょうか?
目安例としては、
・ゲージ、サークル...10,000~20,000円
・首輪、リード...3,000~5,000円
・トイレ用品...トレー6,000円+シート毎月6,000円
・滑り止めなどの床材...30,000~50,000円
・ケア用品(ブラシ、シャンプーなど)...5,000円
・餌代...毎月8,000~15,000円
・トリミング代...1回6,000~10,000円
・狂犬病やフィラリアの予防接種など...毎年10,000~20,000円
といった費用がかかることが考えられます。
また、ケガや病気をしてしまった時や避妊手術を受ける際は、その時々で医療費もかかります。
長い目で見た費用面でも、よく考えたうえで飼うようにしてくださいね。
しつけのポイント
では、アメリカンコッカースパニエルのしつけのポイントについてご説明します。
前述したように、彼らは人懐っこいうえに学習能力が高いためしつけはしやすい犬種です。
たくさん褒めるとその分多くのことを覚えていきますが、甘やかしてしまうとわがままになり飼い主の言うことを守らなくなります。
飼い主という立場を忘れず、幼犬の頃からしっかりと服従させて信頼関係を築くようにしましょう。
また、叱る際に急に大きな声で怒鳴ったりすると、恐怖心から注意散漫な性格になってしまうかもしれません。
なるべく穏やかな気持ちで接しながらも、甘やかしすぎないしつけを行うようにしましょう。
飼育する際の注意点
さて、次は、アメリカンコッカースパニエルを飼う時の注意点についてです。
運動、肥満に注意!
アメリカンコッカースパニエルは、もともと猟犬であるため運動が大好きです。
1日2回、30分程度の散歩を心がけるようにしてください。
遊ぶことが大好きな犬なので、庭やドッグランで遊んであげると喜びますよ。
また、アメリカンコッカースパニエルは太りやすい体質でもあるので、普段からの食事量や質を考えて肥満予防に気を付けて下さい。
かわいい仕草でねだるからといって、オヤツを与え過ぎないようにも注意してくださいね。
暑さに弱い
アメリカンコッカースパニエルは、暑さには弱いため夏場の散歩は早朝と夕方に行うなど、温度に対する配慮が必要です。
基本的には室内飼いになりますが、室内でも夏場は熱中症になる危険性があります。
室内の温度、湿度設定にも十分注意しましょう。
被毛のお手入れ
そして、アメリカンコッカースパニエルを飼ううえでなにより大切なのは被毛のお手入れです。
彼らの被毛は厚く長いため、最低でも2カ月に1回のトリミングが必要となります。
長くなめらかな毛は絡まりやすいため、家でも毎日ブラッシングを行い、月2回はシャンプーをしてあげると良いでしょう。
抜け毛も多い犬種なので、室内のお掃除もまめにする必要があります。
年をとると皮膚病にもかかりやすくなるので、毎日のお手入れをかかさず行い異変にすぐ気付いてあげられるようにしましょう。
アメリカンコッカースパニエルがかかりやすい病気
そして、気になるのはかかりやすい病気です。
目の病気
アメリカンコッカースパニエルは、白内障や緑内障、チェリーアイなどの目の病気にかかりやすいと言われています。
いずれも放っておくと失明してしまう病気です。
特に緑内障は緊急性があるので、
・愛犬の目が赤くなったり、目全体が膨らんできた、目が濁って見える、物によくぶつかる
といった症状を発見した場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
皮膚病
また、アメリカンコッカースパニエルは皮膚病を起こしやすい犬です。
アレルギー性、アトピー性皮膚炎、脂漏症などが考えられます。
特に、皮脂が過剰に分泌されてしまう脂漏症がアメリカンコッカースパニエルにはよく見られるようです。
脂漏症になると、
・皮膚のべたつき、皮膚からの異臭、脱毛、かゆみ
といった症状が見られます。
皮膚病は、被毛の汚れやダニなどのハウスダストなど、さまざまな要因によって発症することがあります。
愛犬自体もそうですが、居住環境も常に清潔を保つ必要があるでしょう。
外耳炎
アメリカンコッカースパニエルは、垂れ耳であるため外耳炎にもかかりやすいので、定期的に耳のチェックをしましょう。
週に一度は、イヤーローションをつけて耳の中を拭いてあげてください。
もし、耳が赤く腫れていたり異臭がするようなことがあれば、早めに動物病院へ行きましょう。
膝蓋骨脱臼
そして、膝蓋骨脱臼にもなりやすいです。
これは、何らかの要因で膝蓋骨がずれてしまう病気で、発症すると歩き方がおかしくなったり重症化すると骨格が変形して脚が使えなくなってしまいます。
具体的な膝蓋骨脱臼の症状には、
・スキップするように歩く、足をひきずる、しゃがんだ姿勢で歩く、膝を曲げた状態で歩く、歩けない
が見られます。
フローリングなど滑りやすい環境で生活していると膝に負担がかかり、ジャンプをした際にずれてしまったりするのです。
肥満も膝に負担を与える原因となるので、くれぐれも運動不足、食べ過ぎには注意しましょう。
慢性肝炎
アメリカンコッカースパニエルは、遺伝的に慢性肝炎にかかりやすいと言われています。
慢性肝炎は初期の段階では症状が出にくいので、発見が遅れることが多い病気です。
慢性肝炎が進行してくると、
・食欲不振、下痢や嘔吐、体重の減少、黄疸、腹水、けいれん発作
といった症状が現れます。
最終的には、肝硬変を起こして死んでしまう危険性があるので、早めに病院で治療を受けるようにしましょう。
まとめ
アメリカンコッカースパニエルはアメリカ合衆国が原産の中型犬で、体高37cm体重12kgほどの大きさになります。
基本的に社交的で人懐っこく明るい性格で、人見知りをあまりしないため初対面の人間や動物にも友好的です。
アメリカンコッカースパニエルの優しく愛らしい顔は本当に魅力的ですよね。
明るい性格の犬が家にいたら、家族全体が明るく楽しく過ごせるかもしれません。
被毛のお手入れが大変なため、お金と時間がかかってしまうという難点はありますが、家族の一員として迎え入れたらそんなことは気にならないことでしょう。
初めて犬を飼うという方にもおすすめなので、気になる方は是非一度検討してみてください。